愛物語-9 Love Stories|かわぐちかいじ | |
さまざまな「愛」がある。 はげしい愛、哀しい愛、静かな愛、燃える愛、泣きたい愛、それらに親子、兄弟、家族、友達、夫婦などを加えたら、それこそ愛のかたちは無限である。 その中で、かわぐちかいじは、いまこそ「優美な愛」が必要なときだと読者に訴えかけているようである。 「愛物語」はかわぐちかいじの二十一世紀における「愛」へのメッセージなのである。 佐々木守(巻末解説「優美な愛の物語」より抜粋) [出版歴] 徳間書店「コミックバンバン」1987/11〜1989/3 ワニブックス1992/12/15[ISBN: 4-8470-3078-8]A5版 笠倉出版社 1995/7/20 [ISBN4-7730-0353-7]文庫 双葉社 2001/5/25 [ISBN4-575-72314-2]文庫 |
「沈黙の艦隊」で知られる劇画作家かわぐちかいじ氏の9つからなるラブストーリー短編集 9つのそれぞれのタイトルはいずれも名曲のタイトルが使われている。
ビートルズから井上陽水の中に「甲斐バンド」の2曲がある・・・「HERO」「裏切りの街角」、どれも曲のイメージからというよりも、タイトルにインスパイアされたようなストーリーで、甲斐バンドを微塵にも感じさせはしないが、独特な展開と見せ方は思わずストーリーに浸ってしまう。 初出は結構前の作品で1987年にコミック誌に連載、その後単行本が発行され、現在では文庫本版が出ている。 ここで紹介したのは文庫版で笠倉出版社(1995年発行)と最近出た双葉社(2001年発行)の二冊だ。(双葉社のはたまたま見かけてしまったので中身は同じなんだけど、買ってしまった) この劇画はビデオ化もされており、そちらの方は劇中にしっかりとタイトル曲が使われていた。 しかし、アニメになってしまうとどこか陳腐なものになってしまって、作品として違った印象も受けてしまった。 やはり劇画は劇画として本として観ているのが一番良いなというのが率直な感想である。 色々ネットで調べられる昨今、この劇画は映画化されているのが判った。 批評を書いているサイトもあったので、ストーリーの出来具合などある程度想像に難しくないが、劇画からアニメ、実写となるとイメージはどんどん遠いものになってしまって、こそばゆい出来なんだろうな・・と思えた。 参考までに・・・
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