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九州少年-KYUSHUSHONEN

九州少年 人生に大切なものは
すべてこの時代に
あった

少年が駆け抜けた。
暑くて無垢な時代


ランダムハウス講談社[2008/11/20]

夜逃げ、父の蒸発、友人の死、母の最期。
博多祇園山笠、西鉄ライオンズ
日本映画、リヴァプール・サウンド・・・・・・。
少年・甲斐よしひろを彩る出来事が、
日本人が懸命に生きていた
「照和」という時代を浮き彫りにする。

この本は2006年2月から4月まで西日本新聞に連載された「九州少年」を加筆修正、追記、再構成されたものだ。
関東圏では読む事が出来ず残念だったのだが、こうして刊行され読む事が出来て本当に良かった。
実のところ、内容についてはあまり期待していなかったのだが、読み易いボリュームと文調に引き込まれてしまった。
「荒馬のように」や「か・さ・ぶ・た」とはまた違った一面を見る事が出来る。
家族、母親に関する部分はしんみり(?)と読んでしまい、現在に至るまでの生い立ちをさらりとではあるが判った様な気になった。
やはりあれだけの人だから幼少時代から多感な少年時代を経て、オトナになっていく年輪を考えると自分はなんて薄っぺらなんだろうと思えたりもする。
まぁ自分にも自分なりの紆余曲折、苦難や悲しみにも暮れた時期があった訳だが、どうにもこういう風な圧倒的な表現が出来ないもので、比べることが出来ない。
やっぱり甲斐って凄いなって思った。

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