● TEN STORIES-[Feb.07.2007] | |
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既にフルオリジナル・アルバムが出てから10年になろうとしている2007年。 リリースのニュースを聞いて、内容を調べて驚いた・・・またまたカバーアルバム。 収録曲は・・・
「翼あるもの」「翼あるもの2」は本業合間の懐の広さというか、アーチストとしての幅の広さを見せ付ける好盤とも受け取れるが、前作「アタタカイ・ハート('04)」も殆どが既発曲や提供曲のセルフカバーにカバー曲。 真新しさを感じられなくなって、早10年である。 その間も何周年だとか、クラッシックスだとかだってお茶を濁した感のあるライヴ展開で、バンド回帰以前に煮詰まって煮詰まって・・・・。 リリースから遅れること3ヶ月・・・ようやく手にした。 それ程までに購入欲をかき立てないアルバムという事だ(イメージだけど)。 さて実際はどうなのか・・・。 最初の印象は「声が出ていないなぁ」という感じ。選曲に無理があるのかもしれないが、1曲目の「今宵月のように」でそう感じてしまった。 「歌舞伎町〜」は変調というか歌いまわしについていっていない印象。「くるみ」は甲斐にとって歌い易い曲調なのか、しっくりくる。(それでも高い声が出ていないように聞こえる) 「ハナミズキ」は甲斐オリジナルだったら良かったのにな、と思ってしまった出来だったが・・・やはり楽曲が良いという印象が先に立つ。 「夜空ノムコウ」はスガシカオのバージョンもSMAPのバージョンも好きなのだが、甲斐のバージョンは受け入り難い印象だった。この曲を選ぶ必要があったのだろうか・・・。 癖のあるそれでいて艶のある田島貴男の「接吻」は甲斐の手でアップテンポな軽快なものに生まれ変わった。曲のアレンジが悪いわけじゃない、むしろ好きなアレンジなのだがオリジナルを超える感じがしない。 ・・・。 1曲1曲残念な言葉を並べても仕方がない・・・。 カバーが悪いわけではない、かつてのノエビアのCMで流れた沢田研二の「時の過ぎゆくままに」(HIGWAY 25 Disc5に収録」は本当に優れたカバーだった。 あの短いカバーでドキッとさせられ、「翼あるもの」('78)でも甲斐ならではの味わいがあったのだが、どうしたものか・・・・。 「翼あるもの2」('03)でも甲斐ならではという印象はあったのだが、何でだろう。単純に選曲なのかな、こういう辛口な意見になってしまうのは。 それにしても高音が出ていないのは確かだと思う。 甲斐の声は大好きだ・・・でも他人の歌を堂々と歌い上げて「素晴らしい」と何時まで言い続けられるだろうか。 俺達が待ち望んでいるのは、こんなカバーではなくて、甲斐が歌うハードでメロウなラヴソングだったりするのではないだろうか。 「パートナー」が秀作で気に入っていただけに、あの後プツリと糸が切れてしまった凧の様に、彷徨い続ける甲斐を何時まで見ていられるだろうか・・・最近ではかなり自分に自信が無くなってきたのだ。 |