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GOODFELLAS
● グッドフェローズ-[Aug.25.2004]
グッドフェローズ
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  1. HERO ヒーローになる時、それは今 / 大黒摩季とフレンズ
  2. 風の中の火のように / DA PUMP
  3. テレフォン・ノイローゼ / キンモクセイ
  4. 裏切りの街角 / m.c. A・T
  5. 陽の訪れのように / 山口智充
  6. 漂泊者(アウトロー) / 高橋克典
  7. 安奈 / 松岡充
  8. かりそめのスウィング / 石川セリ
  9. BLUE LETTER / HOUND DOG
  10. 破れたハートを売り物に / INSPi

正直言ってさっぱり興味のないアルバムだった。
こうしたアルバムは自分のもう一つ大好きなバンドKISSが、展開しているものとイメージがダブるからだ。
無論聞く前から結論を出すのは良くはないのは判っている・・・しかし、だ。
皆さんは知っているかどうかは別として、KISSについては数え切れない程のトリビュート・アルバムがリリースされている。
中には有名になる前のバンドが参加してたりして、かなり話題になっていったアルバムもあったりするし、バンド自体が関わっているアルバムさえある。
人の歌を歌うっていうのは難しいものだと思う。歌には表情やスタイルが宿っている。それだけ思いが強いものだ。
オリジナルに深く浸透している自分にとっては、聞いても仕方がないものだったりするわけだ・・・よくロックイベントの最後の王道曲を皆で参加して歌っちゃうアレも同じで、聞き流すならまだしも、アルバムを買ってそれぞれの歌に直面する気はさらさらなかったのだ。
しかし、気持ちが大きく揺らいだ・・・なぜか?答えは2004年の武道館にある。

あのステージの一つの呼び物としてゲストコーナーがあった。
大黒摩季、SA PUMP、山口智光、大友康平そしてmc.A・T・・・面白い取り合わせだった。
そのライヴを見た上でアルバムを聞くことになったのだが、きっとあそこで見てそのアレンジや唄いっぷりを見ていなければ買う気になれなかっただろう。
「食わず嫌い」そういう事だ・・・。
それでアルバムはどうだったかというと、いい感じで纏まっているとは思う、でもやっぱりヘビーローテーションにはならない、そんなアルバムになってしまうのだ。

各アーチストの甲斐度の消化具合は・・・
まず大黒摩季、女性ヴォーカルによるHEROか・・ギターはつっちーという事もあって、サウンドはバッチリ。でも誰のソレを聞いてもHEROはお腹一杯なのだ。
DA PUMPは唯一甲斐ソロというかKAI FIVEの楽曲に挑戦。ラップ系ってのは、曲に日本語バラバラにしてものっけてしまう所があるんで、武道館でもそうだったが、何の曲かさっぱり判らないので馴染むも馴染まないも曲のノリ一発って感じ。それでこのアレンジは自分にとってどう?って自問するとまぁまぁ・・かな。
キンモクセイのアレンジはこのアルバムの中では一番オリジナルに近いものである。それ故に安心して聞いていられる所があるのと、違和感がないのが良い所だ。
改めて良い曲だなって思える仕上がり。トリビュートの意義からすると両極の位置にいるようなアレンジになるかもしれないが、これはこれでOKと思っている。
最後に凝った感じのつもりかもしれないが携帯メロディのSEは陳腐な感じがして蛇足という印象だ。
m.c.A.Tの出来栄えは素晴らしい。あまりこっち系の曲を聴く訳ではないが、武道館でのノリがサイコーだったのを受けて一番聞きたかった曲。
なんと裏切りの街角、どこか演歌ぽい気もするこの曲をこんなにしちまって、まったくスゲー!〜boy,boyのビートはいいねぇ。
心境的には武道館でのライヴの方がうねりもあって絶品だったな。これはDVDで堪能するとしよう。
ぐっさんの歌は絶品なんだが、どうも西城秀樹が歌っているような感じがなんとも面白い。
声が伸びていて歌も上手い。安心して聞ける一曲だ。
さて、高橋克典か・・・どんな唄いっぷりなのかと思ったら語り口調なんすね・・・ふーむ、こうきたか。
声がいいのでこんなのもアリだなって思えた。これは「漂泊者」だからこそ成り立ったトリビュートであると思う。曲の節回しの時の「んんっ!」って叫び(?)も「らしく」て良い。
しかし、この録音風景を見てみたいなぁ。
松岡ってSOPHIAのヴォーカルだとかドラマに出てたなって事しか知らん(それでもキンモクセイが「アニメのOPを唄っていた事以外知らない」のと大差ない)ので、先入観なしで聞いたが、ふーむそうか・・・甲斐のそれよりあっさりして聞けるので、最近の食傷気味の中でも聞けたって感じ。
最後の方のアレンジはちょっとしつこいかな。 次は石川セリ・・・ご存知井上陽水夫人で甲斐は「翼あるもの2」で"八月の濡れた砂"をカバーしてたから知ってるでしょう。
独特な歌い方が新しい世界が広がっているという印象を受けます。好きなトリビュートの昇華状態といえます。
大友康平のBLUE LETTERかドラムがナンだかうるさいナー。あまりこの人の歌い方が好きではないので、このトラックはどうでも良かったりして・・・(^_^;;
途中の語り口調になるところも少々サムイ感じになってます。(ファンの方ごめんなさい)
トリはいい感じのINSPiです。彼らの公式ページでプロフィール見たら、全員が甲斐バンドが頂点に立った1979年近辺の生まれなんですね。
そうかそういう若者がこうした曲のトリビュートをするってのは、凄いなぁ。
この曲がアカペラで歌われているのは、すごく嬉しいし、その出来がこの具合なので、すごく満足です。

トータル的に見てプレーヤにかけて聞いてるといいBGMになるように思った。
甲斐の楽曲のよさを外から眺めるとこんな感じに聞こえるのかなって思った。余りにも大好きで各曲はオリジナルを超えられないという意識が強いので、そういう概念を取り外して外側から眺めてみると解釈の仕方や昇華の具合で、これだけ雰囲気が変わってくるのがトリビュートの醍醐味なんだとは思う。

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