若く怒りに満ちておろかで魅力的だったろうあの頃の俺達・・・・・ 15年ぶりに完全復活を果たした甲斐バンド 2001年夏、NHKホールでの熱狂と眩暈のライブ・パフォーマンス!! |
先だってWOWOWで放映されたNHKライヴだと思っていたんだけど、やっぱり甲斐のこと・・・そんな通り一遍等なコトはしない・・・。 それはオフィシャルページで甲斐は同時に発売されたCD"BATTLE OF NHK HALL"とこのDVD、WOWOWの映像を「〜つまり3作品として全部チェックしてないとシラネエヨ!!と言ってるワケです。」という様にそれぞれの枠に相応しいミックスをとりおこなっていると言っている。 考えてみれば甲斐バンド時代からそういうメディアミックスの戦略はしっかりとやっているバンドだ。 WOWOWの放送は期待を良い意味で裏切る構成であったし、充分にこのDVDソースには魅力を感じつつ待った訳だけど、心のどこかにあった「完全収録」という言葉はこのDVDのものではなかったと思い直した。 そうそれは"BATTLE OF NHK HALL"というCDの方を指していた訳だった(しかし残念ながら"ダイナマイトが150屯"だけは許諾がおりず収録を諦めたとのこと)。 (小林旭サイドももうちょっとくだけてくれりゃいいのにね・・・甲斐が歌うことでオリジナルとは違っていても、それが「小林旭の歌が元になっている」と違う世代に示せるいいチャンスだろうに。うちのオフクロは甲斐バンドを聞いて小林旭の歌詞で歌ってたっけ・・・) オープニングは絶妙なカッティングで始まる「アナログ・レザー」で何でセットリストから外れてここに?という先頭にポジションを取っていたが、客の居ないNHKホールでのバンド入魂の演奏は十二分にボルテージをアップする効果があっただろう。 久しぶりにいい映像を見たような気がする、モノクロの映像も余計なものを語らずバンドのエネルギーをそのまま伝えてくれているようだった。 さて、本編スタート・・・・。 全曲の感想を言うのもおこがましいのでポイントで・・・ まず「ナイトウェイヴ」でびっくりしたのが一郎のソロの後に映しだされる観客席のシーン。 僕らはそのライトを浴びていたのだけれどそれがこういう類のものとは知らずにいた、それだけで意表をつかれた感じ。 綺麗にウェイヴがゆらぎ動く・・・。 このライヴで自分の中でスペシャルだったのが全編を本人である松藤が歌う「ビューティフル・エネルギー」。 やっぱり、この声だよなーとAXとNHKでジーンと思いつつ見たそのシーンが蘇る。エンディング近くに甲斐が登場してのコーラス参加でまた一花添えた感じの仕上がり。 「テレフォン・ノイローゼ」はPartyからの定番?になってるようなAG弾き語り、テイク的にはどうしても「THE 甲斐バンド」に軍配を上げてしまうのだが、相変わらず甲斐のギターさばきは絶妙で聞き入ってしまう。 「安奈」では大森の登場で甲斐バンドフルセットという感じ、メンバーの存在の大きさを思い知る。 大森が弾くからこそ意味のありそうな「裏切りの街角」でのイントロは、まさに大森じゃないと受け入れられない・・・そんな気にもなってしまうほどのメロディアックな切ない音。 そして会場でも思ったのだけど「氷のくちびる」での間奏のキメポーズ。 単に暗転してるとこにライトアップされて、コードを一発ジャーン、なワケだけどそこに甲斐、大森が立っているだけで・・・背筋がぞぞぞーっとくる瞬間だ。 「翼あるもの」でライトをバックに光る甲斐の歌いっぷリはカッコいいと言わざる得ない。定番の定番であるがゆえの決まったポーズや仕掛けがあるはずで見慣れてしまえばそれだけなのかもしれないが、こういう定番はなけりゃ楽曲の一部が欠落したかのように思えるのかもしれない。 例えばKISSで言うと火吹きや血吐きとかギタークラッシュとかかな・・やっぱり無いと寂しい定番かな。 エンディングはキメの「100万$ナイト」・・・決まり!。いう事ないね。 甲斐バンドという事もあってセットリストも定番好みなラインナップではあるものの、ライヴそのものをうまく捉えて再現していると思った。 あわよくばバンドが演奏するソロ、KAI FIVEというような昇華した形の演奏が聞きたいものだ・・・これはずっと願っていることなんだけどね。 また、今回はDVDという事もあってメニューに仕掛けがあってシークレットチャプターが二つ隠されている。 トップメニューでほおっておくとスライドショーになるので、その中に出てくるシーンでピックが出てきたらそこで再生にしてみて欲しい。 二つのうちどちらが出てくるかお楽しみだ。(Jasmin againでは一郎のカメラワークも楽しめる!!) |