80%が未発表の貴重な映像で綴る甲斐よしひろ25年史!! |
甲斐よしひろの1974〜2000のBIG HISTORYである。 帯にある80%の未発表映像の謳い文句に偽りはなく、驚きと感動の2時間タイムスリップです。 冒頭に出てくるゲストのコメントはともかくアルバム発表に合わせたライヴ映像と甲斐、そしてバンドのメンバーのコメントを挿入しつつ一気に見せる勢いがある。 全体を通してでは1982年あたりの映像が勢いも輝きも素晴らしく映った。 それは甲斐のコメントにあるように翌年見せる「無力感」に行き着くまでの、バンドとしての達成感があった時期なのかもしれない・・・それだけにバンド、甲斐よしひろのパワーも全開である。 その際たるものが「漂泊者(アウトロー)」で甲斐の歌はそれこそ「魂の叫び」の様であり、全身を震わせながら叫ぶ姿は身震いを覚える程だ。 あんな鬼気迫る甲斐の姿は自分としては初めて見た・・・・同じ歌でも最近のものとでは全然違うものになっているなと痛感する。 また、Partyの映像も今となっては懐かしく「ラヴ・マイナス・ゼロ」ではやっぱり・・・潤んでしまった。 バンドの軌跡は順を追ってそれぞれのエピソードを交えながら進むのだが、KAI FIVEになるとあっという間の3年間という形になる。 唯一、収録された曲も昨年の飛天での甲斐よしひろによるもので、KAI FIVEの映像でないのが残念といえば残念か・・・。 個人的には「幻惑されて」「四月の雪」など収録に値する楽曲は多数あると思っているだけに残念でならない。 KAI FIVEのサービスショットとしてはヤッチのみRockumentのGuitar Friendsで共演したシーンがインサートされていたのが唯一の救いかもしれない。 アルバム「流民の歌」のTVスポットCMは例え様もなくカッコよく、演出が井出情児とコメントされているのを読み「なるほど」と思う事間違いないハズ。 「裏切りの街角」の映像は当時のTV番組「TVKヤングインパルス」のものだが、昔フジTV深夜枠でやっていたある番組で流されたものとは違う日のもので、甲斐がなんとも言えないようなヘアスタイルに加え、長岡の弾くベースも何やら怪しい・・・前述の別な日の映像の方が良かったのに・・と甲斐のヘアスタイルを見ながら改めて思ってしまった。 日比谷野音の映像は音なしでバックに使われたことのある映像だったが、今回は音源付きで見られた訳だが、あれがまさか「グッドナイト・ベイビー」のものとは想像もしていなかった・・・。 随所にP.V(所謂ビデオクリップ)が挿入されているが、「レディ・イヴ」のものはカメラに向かって歌いアクションするシーンしか見た事がなく、指のスキマからさらさら・・のシーンは初めて見るもので嬉しかった。 花園や黒澤フィルムスタジオでのライヴ映像は「もっと見せてくれ」状態で、完全なるビデオ化をさらに望みたい。 黒澤フィルムスタジオでの大森の弾く「25時」、松藤/一郎の「Two Of Us」、甲斐の「Helpless」など見所いっぱいなのである・・・アレがCD音源だけだっていうのは勿体ない。 といいつつ花園の緊迫感を含んだライヴ映像は良い、大森もコメントで緊張してた旨を語っている。 ヒストリー映像集としては未発表映像を多く収録した事に感謝をしたい。 せっかく高画質、高音質で手元におけるメディア(DVD)が出来てみたのだから、いっその事・・花園、黒澤フィルムスタジオのライヴはフルレングスでリリースして欲しいと今あらためて思う。 最後に2000年の甲斐が弾くのは「翼あるもの」・・・・。 ヒストリーのエンディングにしてはえらく寂しいカンジがするのだが(フェードアウトしちゃうし)、ここは過去の映像をフラッシュバックして「熱狂」でもバックにかけてふーっと息をつく・・と考えてしまうのは俗世間に染まった自分の考えだけだろうか・・・ とにかく2時間のボリュームをフルに魅せてくれるヒストリーには違いない。 |