Special Live Report
XXX:30th Anniversary Live
KAI YOSHIHIRO 30th ANNIVERSARY XXX
PARTY 30 in 武道館


久方ぶりの武道館である。
やっぱり武道館のアリーナ/1階入り口に当たる出入り口に掛かる看板を見るのが、「あぁ、武道館で見れるのだなー」と常にどのバンドであっても感慨深いものがある。
今年は4回目になるか・・・武道館。
それでも慣れるというよりも武道館っていう何ていうのか、重みっていうか「これは凄い場所なんだ」って特別な思いの中でライヴ参戦するイメージ。
自分の中での甲斐と武道館の接点は80年そして飛んであのPARTYの86年5夜連続の武道館、ソロになった87年ストレートライフで3日間、同年末に2日間、間を開いて89年末に1日、KAI FIVE時代は武道館はなかったので、さらに間が開いて95年に21st Anniversaryで1日、翌96年に甲斐バンド復活のBIG NIGHTで1日。
と過去14回と今日で15回目になるワケだ・・・。
甲斐バンドは79年末から解散前年の85年迄の7年間、年末の武道館2Daysライヴをやっていたので、その間14回・・・
合計通算29回目??うーむ計算が合わない。(^_^;

18時13分、客電が落ち会場に流れてきたのは「25時の追跡」だった。(多分"Secret Gig"のバージョンだと思う) 「映画を見るならフランス映画さ、若かった頃の君と僕の思い出話は・・・」と静かに歌い始め、バンドサウンドで改めて始まるアレンジ。そうオープニングは「ポップコーンをほおばって」だった。
やっぱり甲斐バンドの歌はいいなぁ・・と自然に歌っている自分に気付いた。
そう思いつつどうしてもオリジナルでの演奏パターン、記憶の中の甲斐バンドと比べてしまうもので、間奏やキメのギターの所で「何か違うナー」と思ってしまうこだわりの自分が居たり・・まぁ仕方がないのだけど。
今のバンドがコピーバンドでもないワケだし、これはこれで進化の過程でもあるのだし・・・わかっちゃいるけどね。
続くのは「きんぽうげ」の乾いたイントロが始まって、「あぁここで'きんぽうげ'かぁ早いなー、それだけ濃密って事か」と思いながら、自分にとっては久しぶりの、生きんぽうげを堪能。
心なしかつっちーのギターソロもオリジナルに程近いアレンジで弾いているような、そんな感じがすごく嬉しい気分になる。
それにしても武道館の1階は良かったものの、危惧してたように音が篭るなー。
イマイチ鮮明に甲斐の声が聞き取れない、2階部分の張り出しにPAが隠れてしまって直接音が聞けないからかな?
JARAHのドンドコドコ・・っていう軽妙なリズムで始まった「ダイナマイトが150屯」、これはノルねぇ、実にいい。
わざわざセットされるコード式のマイクとマイクスタンドも、蹴り上げる甲斐の足元に注視し踊り周るマイクコードの軌跡を目で追い、激しいリズムに体を委ねる・・・そんな聞き方が体に染み付いている、いい気分だ。
電光石化BABY」の後、ニューアルバムからDA PUMPのISSAのソロアルバムへの提供曲「FIGHT THE FUTURE」がプレイされた。
実の所ISSAのものももちろん、今回の甲斐のニューアルバム「アタタカイハート」ですら聞いていない俺。
よく聞き取れない唄の中、サビで繰り返し歌われているフレーズが"FIGHT THE FUTURE"だと理解したのは帰宅してからだった・・・(ISSAのアルバムはパソコンの中にあるんだから、聞いておけよ・・俺。)
ここでMCが入って甲斐より「サンキュー、今日は30周年3時間30曲のハードなメニューを・・」と宣言され、いつものように「目一杯やるよ」と続いて始まったのは「東京の一夜」だった。 このアレンジもTHE BIG GIGでの演奏に近いアレンジになっているようだ・・・そうした特徴的な部分(実はぜんぜん違い自分の思い込みだけかもしれないけれど)に触発されて、バンド時代やそれぞれの時代にこうした曲と連れ添った、その時の自分が蘇って思考が行き来する。
静かに始まったのは「くだけたネオンサイン」。
アルバムのアレンジの様なギターの音色は無かったが、とても好きな歌がこうした場面で聴けることに感激してステージに目が釘付けになった。
もう一音すらも聞き漏らさないつもりで集中して聞き入っている自分がそこに居た。
この辺りの歌は友人の家でアルバムをとっかえひっかえターンテーブルの上に載せ、選んでテープに入れた自分なりの甲斐バンドベストを作ってた頃を思い出す。
あのテープはヘビーローテーションで聞いてたっけなぁ・・・あの頃の想いに曲が重なっていった。

ちょっとの間をあけて印象的なイントロが流れ「シーズン」が始まった。バックに松藤が居るっていうだけでバッチリな仕上がり具合かもしれない。
アレンジがどれも甲斐バンド時代に近いものなのが、すごく聞いていて安心出来た。それは続く「ナイトウェイヴ」でも同じことだった。
思えばPARTYでのオープニングナンバーだった。軽くスウィングしている大森さんの姿が懐かしい。
シンバルのカウントで始まった「地下室のメロディー」。
これも思い出深い曲だなぁ、だって最初にリアルタイムに買った甲斐バンドのアルバムだものなぁ。
そう"甲斐バンドストーリー"からメディアにも露出度が高くなっていた時期でもあったので、知ってはいたもののアルバムを買う迄には至っていなかった。
高校でロックバンドという意識で見聞きするようになって見方が俄然変わって、友人の影響もあって後追いで全てのアルバムを聞いてのめり込んで行ったあの時期。
このアルバムはそんな思いが自分の中で強くなって初めて発売日を待って買ったアルバムだった。そしてその年の武道館に足を運んでぶっ飛んだ思い出。
エレクトリック・シタールの音色もオリエンティックでいいよなぁ・・友人はこの辺から逆に離れて行ってしまったけれど・・・
一郎のそれとは深みが違うが「港からやってきた女」が始まった、会場全体が弾ける感じがしている。
ツインギターでない部分でギターのリズムに返しがないのが寂しい所で、やっぱり大森さん、一郎で見たかった曲の一つだなって思った。
あとこの曲を聞くと抽選に漏れた黒澤フィルムスタジオの公的なファイナルが、見れなかったのが今でも非常に悔しい。
蘭丸がぶりっぶりっってギターの鳴りを確認しつつ始まったのが、「嵐の季節」。
なんていうのか色々思い出してしまって、なんだかしんみりしてしまった・・・大森さんはいないのだなぁ。
気持ちが大分湿っぽくなってしまって、コブシを挙げる事すらままならなくなっていた。
それでもコブシの代わりに声を振り絞って、♪みんなコートの襟を立てぇ〜って歌って、その歌声が空に届く様に・・・そんな気持ちと思いで胸が詰まってしまった。
ステージではアコースティック・セットになり譜面台と椅子が中央に用意された。
さて何を見せてくれるのか・・・・
このステージ始まってまとまったMCの時間になっているようだ・・・武道館公演31回目って言ってる・・・そうか?イマイチ勘定合わないなー、見逃したステージがあるのかな?
それでも「どこで端折っとけば良かったのか?」って言った時、「そりゃストレートライフの3連荘だよ・・」って一人胸の内でツッコミを入れてたら、甲斐と松藤もそれを言ってたっけ。
バンドが解散してしまって、もう「見ておけば良かった」と後悔しないようにライヴに足を運んで行った時期だったんだけど、この数日前に会社の事務所でぶっ倒れて救急車で病院に運ばれたんだよなぁ・・・そういえば。
その日の遅くに帰宅したものの「しばらく休め」と言われ確かこの辺り休んでいたんだよな・・・・それでも武道館には毎日行ってたという。

古い記憶がキーワードで思い出される中、甲斐が「しみじみとやりましょう」と言って始まったのが「安奈」。
なんだか今日は素直に聞いてる自分が居た。アコギとアコーディオンのセットは自分の中でも好みの音色だと思うけど、いつもは何でかなぁ。

さて、どうやら中盤になってゲストステージの始まりのようだ。
トップバッターはDonDokoDonのぐっさんこと山口智光。出てきて「本業じゃない」と言いつつ軽くジャブって感じでネタを披露。
音とびをするCDで甲斐バンドバージョン「東京の一夜」、ひぐらしの鳴き真似?会場がシーンと静まり返って、ナンだか真夏の暑い日ざしの中にいるかのようだった。
そんな芸達者のぐっさんが歌うは「陽の訪れのように」。聞いているとナンだか西城秀樹が歌っているかのような錯覚を覚えるが、聞きやすい伸びのあるヴォーカルで皆歌に聞き入っていた。
"グッドフェローズ"買ってみようかなって少しづつ思い初めていた。


一気に書き進められず・・・・とりあえずここまで[Nov.13.2004]



「BLUE LETTER」大友康平
「裏切りの街角」m.c.A・T
「HERO(ヒーローになる時、それは今)」大黒摩季
「風の中の火のように」DA PUMP
「最後の夜汽車」
「レイン」
「幻惑されて」
「三つ数えろ」
「氷のくちびる」
「翼あるもの」
「漂泊者(アウトロー)」
「冷血(コールド・ブラッド)」
「破れたハートを売り物に」
この後、アンコール
「ブライトン・ロック」
「ラヴ・マイナス・ゼロ」※サンキュー30周年、サンキュー
「観覧車’82」
も一回アンコール
「テレフォン・ノイローゼ」甲斐アコギによるソロ
「HERO(ヒーローになる時、それは今)」ゲスト(大友除く)/田中一郎
「100万$ナイト」田中一郎が一緒、素晴らしい。

Million Dollers Night



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