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KISS

KISS
  1. STRUTTER (3'10")[Stanley/Simmons]
  2. NOTHIN' TO LOSE (3'26")[Stanley]
  3. FIREHOUSE (3'18")[Simmons]
  4. COLD GIN (4'21")[Frehley]
  5. LET ME KNOW (2'58")[Stanley]
  6. KISSIN' TIME (3'52")[Mann & Lowe ]
  7. DEUCE (3'05")[Simmons]
  8. LOVE THEME FROM KISS (2'24")[Stanley/Simmons/Frehley/Criss]
  9. 100,000 YEARS (3'22")[Stanley/Simmons]
  10. BLACK DIAMOND (5'11")[Stanley]


KISS  Paul Stanley/Gene Simmons/Ace Frehley/Peter Criss
Other Player : Nothin' To Lose(Bruce Foster/Piano)
Produced by KENNY KERNER and RICHIE WISE
Casablanca/Warner Bros. NB-9001(1st)/NBLP-7001(2nd)
Released: 1974/02/18    RIAA:1977/06/08

Kob's Recommended:★★★

[Notes]
KISSの記念すべき1974年のデビューアルバム。
実際にはこのアルバムに先がけてこの後のKISSに多大な影響を及ぼすエディ・クレーマーのプロデュースによるデモ・レコーディングが存在し、そこ時点で既に"Deuce"、"Cold Gin"、"Strutter"、"Watching You"、"Black Diamond"の5曲を完成させている。
(このデモは後にコンピレーション盤などに収録されたり、数々のBootlegに顔を出す事になるが、最終的には2001年に発売になった"BOX SET"に収録されている。)
オープニングを飾る"STRUTTER"は生きの良い曲だが、デモのそれは荒削りな部分も残っている中で、バンドの弾ける若さ、パワーがみなぎっていて小気味良い仕上がりになっていた。
リリーステイクはややそういう面が無くなって丸まってしまったようにも感じないことはないが、ファーストアルバムの一発目という位置においての存在感は確かなものがあると思う。
それだけKISSのサウンドがシンプルで判りやすく、耳に届きやすいロックンロールだという事が判る曲でもある。
デモ音源とを聞き比べられるチャンスがあったらぜひ比べて欲しい、何か新しい発見があるハズだ。

アルバムは当初"KISSIN' TIME"なしの9曲入りのアルバムとしてリリースされたが、キス・マラソンというプロモーション用にBobby Rydellのカバーを録音しシングル盤として発売し、その後セカンド・リリース分から追加収録された。

ジャケットはビジュアルに訴えるバンドらしくインパクトのあるものが採用されている。
実際のこのジャケット・フォトセッションでは違うカットが幾つもあるが、結構落ち着いた感じのこの写真がジャケットに採用されたのは個人的にはちょっと意外な印象を受ける。
Geneを除く他のメンバーはイマイチ実際の本人とは違う印象を受けるような姿に映っている感じがして、どうにも違和感があったりする。
Peterなどは顕著でジャケット撮影用に用意されたメーキャップ・アーチストによるものに描き直されているので、実際にPeterが施していたメーキャップと程遠い出来になっている。(これ・・・酷いメイクだと思う)。
(近年リリースされたBOX SETではインナーにこの記念すべきファーストアルバムの各メンバーの顔がツートーンで描かれているのだが、Peterだけ口ヒゲの部分が実際のデザインに合わせて修正されている。)

デビューアルバムながら現在までステージで演奏され続ける曲が多いのが驚きで、このアルバムだけでもある意味ベスト盤要素も強い。
しかし、当初より評価が高かったワケではない....事実リリースされたもののライヴ活動に明け暮れるKISSの追い風になるには、まだまだ弱いものだった。
結果矢継ぎ早にアルバムリリースをレーベルより催促され短期間に続々とアルバムを作る事になる。
当然の事ながらデビューして類まれな姿とショーアップでステージを続けた彼らで、このアルバム収録曲にステージでのショーアップの「お約束」な曲が多いのも特色か。
火吹きの"FIREHOUSE"、後にギターから煙を出す"COLD GIN"、初期の血吐きは"100,000YEARS"など、ステージ上での様々な効果を狙った演出に一華添えるような楽曲が多いのも聞いてて楽しめる。
また、フロントマンであるPaul、Geneに限らずヴォーカルが取れるという面も見逃せない。
ファーストアルバムでドラムスのPeterが歌いあげる"BLACK DIAMOND"はPaulの静かで切ないイントロからうって変わっての激しいハスキーヴォイスにはインパクトがある。
エンディングはこの頃とはいえ凝っており、回転数を落としてぐわんぐわんになって終わる、圧巻です。
KISSの歴史上数少ないインスト曲で"LOVE THEME FROM KISS"があるが、初期のステージで実は演奏されておりその際は"ACROBAT"というタイトルであった。
プロデューサーのRICHIE WISEやレーベル会社が気にいってインストでの収録と相成ったが、その際に欧州流行っているインストルメンタルのタイトルが"Love Theme〜"で始まる事が多いとの理由でタイトル名がバンドの意向とは関係なく変更され収録されたようだ。
ステージでの演奏は中間からアップテンポになりかなり印象が変わる(ボーカルが入る、つまり完全なインストルメンタル曲じゃなく収録に際してヴォーカル部分をカットしてしまったのだ)が、こういう面もKISSと思うと面白い。
デビューアルバムながら日本でのリリースはかなり後となり、1976年にようやくリリースされている。
ご存知の通り、日本のリリースは当初ビクターよりで「地獄」で始まるキャッチフレーズはいい味を出している部分が多かったのも事実ながら、逆にそれがギミックバンドというかお子様向けバンドというレッテルを貼られる要素にもなったのは悲しい所。
ワタシも実の所KISSに入っていったのが"DESTROYER"、"ROCK AND ROLL OVER"であるので音の厚みとかで違和感を受けてしまう事になった。
好きになったバンドを気に入った時代から色々な時代に遡って聞きまくる段で決まって発生する違和感ではあるが、その頃は戸惑いながら聞いてた気がする。
今となっては初期の名盤であると断言出来る(そもそもデビューアルバムが名盤なんて素晴らしいではないか!!)。聞くべし!!


[More infomation]

地獄からの使者
  1. ストラッター
  2. ナッシン・トゥ・ルーズ
  3. ファイヤー・ハウス
  4. コールド・ジン
  5. レット・ミー・ノゥ
  6. キッシン・タイム
  7. デュース
  8. キッスのテーマ
  9. 10万年の彼方
  10. ブラック・ダイヤモンド

キス・マラソン:The Great KISS Off Contest


アルバムがリリースされレコード会社社長ニール・ボガードらがさらにセールスを上げようと企画した全国イベント。
最も長くKISSしていられた者が勝者に選ばれ全米ネットでのトークショー番組「マイク・ダグラス・ショー」に出演出来るという副賞までついた。
優勝者はLouise HeathとVinnie Toroのカップルで、何と96時間32分4秒という記録だった。


KISSIN' TIME/Bobby Rydell

4才にしてショウ・ビジネスに入り、ジーン・クルーパ(ベニー・グッドマンのドラマーとして有名)を尊敬していたことから6才にしてドラムを始める。 その後父親の勧めもあり7才にしてナイトクラブに出演するようになり、出身地であるフィラデルフィアのローカルTV局に出演、またフランキー・アヴァロンが在籍していたローカルバンドに参加するようになる。
そしてカメオ・レーベルとの契約にこぎつけ1959年に「Kissin' Time」が大ヒット、1962年にはテレビ「コンバット!」に出演したり、ムーディな「Sway」がヒットなど活躍する。(チャートで一番健闘したのは「Wild One」だった)。
こうしてフランキー・アヴァロンやフェビアン同様、フィラデルフィア生まれのティーン・アイドルとしての地位を獲得した。

Kissin' Time/Bobby Rydell[1959]

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