2006

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2006年は日本で初めてKISSの野外ライヴが実現した記念すべき年となった。
来日の噂は3月に耳に届き具体的に内容が見えてくると、UDOのROCK ODYSSEY(2004年)に続く野外イベントである事が判った。
そうなるとKISS以外の余計なバンドの為(?)に大枚を叩かねばならないのか?という気分にもなって躊躇したのだが、関東から行きやすいのはどうしても富士スピードウェイになってしまい、イベントオンリーにターゲットを絞ってのライヴ参戦と相成った。

イベントはUDO MUSIC FESTIVALという何だかベタなタイトルの付いたもので、参加アーチストの発表がなかなか出てこず、チケットの売り上げは大丈夫なのか?という気持ちになった。
未だ行った事の無い場所でのコンサートという事もあり、移動手段、時間、環境・・・何も判らずで不安一杯の状態だったが、駐車権付きのチケットを押さえた。
勿論KISSの出演する2nd Dayの7月23日のチケットだ。

あまりビックアーチストが同じ日に重なるとイヤだなぁと思っていたが、KISSに対等する1Dayのトリは何とSANTANAだった。
ふーむ、SANTANAか・・・JEF BECK、DOOBIE BROTHERSが同じ日ながら、どうなんだろ・・・という顔ぶれ。
2nd DayもPAUL ROGERS、が居るが、何だかしょぼい感じ。これで「この夏、新たなるフェスティバルの聖地が誕生する」というチラシの触れ込みだったが、果たしてそうなるのかよ・・・。

さて、フェスを前にして遅まきながらようやくROCK THE NATIONのDVDも発売となった。
選曲がマニアックながらライヴの良い所をすべて収録している感じで、ここまでボリュームのあるライヴDVDはKISS初と思える内容。
今度のフェスはこういったマニアックなセットリストにはならず、KISS CLASSICSになるんじゃないかな?という予想はしていたのだが、それは実際のものとなった。
今年の来日に関しては何とも中途半端に名古屋と福岡で単発のホールライヴがあった。
それはそれで魅力だったのだが、フェスへの調整ライヴという感じもあったようで、何とも中途半端な感じのするものだったようだ。
しかし、特筆すべき点もあり、名古屋では"Love'em and Leave'em"が、福岡では"Kiss'n Time"、"Love Her All I Can"から始まるメドレー構成(しかもポールが歌う"Shock Me"まで飛び出した。
フェスも野外という意味では価値アリだが、福岡のライヴが実際の所スペシャルではなかったのだろうか・・・。
フェスの詳細についてはLive in Japn-2006-に詳しく記しているので割愛するが、何だか心から楽しめたのかよく判らない複雑な気分になったライヴであった。

この年のライヴの音源は早々にネットで出回っており、名古屋の音源などはポールのイヤモニターの音源とするクリアなものが出たり、サウンドチェックの音源なども出回った。
もうBootlegを買う時代じゃなくなったんじゃないかと思える出来事だった。

ウドーのフェスは散々な結果となったと言わざる得ない。
大阪の泉大津フェニックスは参加していないので細かな事は言えないが、前日の雨による足元の悪さ、風でせっかくの紙ふぶきがイマイチだったとか・・・それでも、富士SWの酷さとは異なるものだと思われた。
富士SWの酷さ加減はマナーの悪さ(シートを敷いて陣取ったり、レジャー椅子を持ち込んでみたり)、富士SWというロケーションの悪さによる交通の便の問題、色々あったと思う。
参加していない者まで含め、一掴みの悪さ加減で全てを悪く印象づけてしまっている見え方もある。KISSのステージはそんなに言われる程酷くは無かったのだ。
それでも全体の客足の悪さがあって、モリビタステージ(集客の関係で、当初の場所より小さいステージと置き換わっているのだ。ここは元々スクェアステージだった所。モビリタステージはサーキットの外周にあった広いスペースだった。スクエアステージはサーキット内にあるスペースに移動し、それぞれ小さくなっていったのだ。)前は明らかにKISSのライヴを目論んでポール・ロジャースのステージが始まる頃から人が集まりだした。
KISSのライヴが始まった瞬間には今までKISSのライヴでは味わった事がない人の波で押され戻され立っているのがやっとな状態で、もし倒れたら踏みつけられて死ぬんじゃないかって思う程だった。
しかし、それもステージ前方の特有の現象だったようで、後方に離脱した者から聞くと後ろは全体が見渡せて良い感じのライヴ観戦というものだったようだ。
事実、このページの上にある写真の様に、花火が打ち上げられたのだがステージ直前に位置していた我々からは、濃霧の隙間を抜けていく一瞬の光と音だけしか認識出来なかった。
近すぎるのが災いして、せっかくの野外ステージの楽しみを味わえなかったという所か・・・終わって暫く後悔することしきりだった。

逆にKISS、ポール・ロジャース以前のステージは酷い状態だったのは確かだ。
時々襲う濃霧で助けられる部分もあったかもしれないが、まばらというか遠巻きに見ているような感じで、あれじゃアーチスともやる気は出ないよなぁというもの。
フェスという形式ではあるが、かなりの数の人がKISS目当てだったように思えた。
だからこそ、他のアーチストの時に積極的に見ることはせず、場所取りに必要と思える時間帯にステージ前に集合しただけって事。自分もその一人ではあるが、KISS単独公演を望んでいたのだが、結局フェス参加になってしまったのでやむを得なく高いお金を払ってフェスにKISSを観に行ったのだ。
そういうファンを他にいる事は想像に難しくない事だったし、責められるものではないと思っています。いくらフェスでも興味の無いアーチストを見て目当てのアーチストの時に疲れ果てたくは無い。
例えば、エアロスミスが出た前回のフェスの場合、熱い日差しを浴びながらスタジアムで、様々なアーチストが出演しており、あの場ならばじっくり見たいアーチストは一杯いたのだ。今回のフェスは場所と参加アーチストのバランスが悪すぎだと感じた。(あくまでもKISS目当てでしかないファンの目線で)
万が一、またKISSがフェスで来日なんて事になったら、後ろで全体を見渡せる場所で観てみたい。

他のニュースとしては我らがKISS専門店のBLACK DIAMONDの水原氏監修のKISS GOODS本「キッスロックグッズ大全」が発行されました。
以前、レコードコレクターズでのKISS特集にあった内容以上に詳しく、写真も多い内容でとても興味深い本となっていました。
日本でKISS熱がずっと維持されている訳ではないと思っていますが、こうした本がリリース出来る状況にあるということでは、まだまだ根強い人気を保っているのだなと感じている。
まぁ我々の世代(ティーンエイジャーの頃にKISSの洗礼を受けている年代)が自由に使える金・時間という部分に支えられている様な気もしますが・・・。

先の富士スピードウェイでのライヴは上手い具合にカット割をして編集された内容で、全曲をフジテレビ721(CS)で放映されました。
少なくてもKISSが演奏したステージ前は2nd Day一番の集客状態だったと思っているけれど、当初のステージ位置では無かったし全体的なチケット売り上げの悪さから来る閑散感がどうしようも無かったですね。
だからこそ、落ち着いてステージから離れて全体を見渡す位置で楽しむべきだったのかもしれないと、今更ながら後悔したりもするのだった。

KISSの活動も一段落して静かになってしまった頃、今度はポールのソロアルバム発売のニュースが飛び込んできた。
元々リリースの話はあったのだが、ここに来てようやくリリースの目処が付いたようで日本でも日本盤が無事リリースされる事になった。
1978年のソロアルバムの様に、メインボーカリスト故のKISSっぽさは拭えはしないが、KISSサウンドとは一線を引いた内容で流石ポールだな、と思えるアルバムになった。
そうこうするうちにポールのソロツアーも始まり、セットリストを見てぜひ日本に来てほしいと願うばかりの内容でびっくりした。
この時のセットリストでは意外にも多くのKISSの曲が披露された。
"Hide Your Heart"、"A Million To One"、"Got To Choose"、"Lick It Up"、"Magic Touch"、"I Still Love You"、"Strutter"、"Do You Love Me"、"I Waant You"、"Love Gun"。 これだけでも凄いが、78年のソロアルバムからも"Move On"、"Tonight You Belong To Me"、"Wouldn't You Like to Know Me" までやっているのだ。
逆にソロアルバムツアーで新作が3曲位でいいのか?と思える程。だからこそ余計にスペシャルなツアーだったと思える。
以前のソロツアーの時にはボブ・キューリックや現KISSのエリック・シンガーを迎えての強力バンドだったのだが、今回は若手のバンドメンバーで周っていたが、そつなく演奏をこなしバランスが良いメンバーだったようだ。
KISS来日は良かったのだが、どうにも後味が悪かったのもあって、このポールのソロアルバムのニュースは明るい話題であった。
さらに以前から噂されていたKISSのビデオソースがボックスセットとなってリリースとなった。その名も"KISSOLOGY"。
とりあえず、Vol.1となっているので、今後もリリースされていくものだと思うが、いきなり1974-1977でコアな年代のアーカイヴスとなっている。
WINTERLAND'75、COBOHALL'76、そして初来日公演の武道館'77が収録。日本を離れた後のLOVE GUN TOURのHUSTON '77などのライヴに加え、TVショーなど含まれるDVD2枚組ボックス。
さらに、流通ルート(WALMART、BEST BUY、AMAZON)によってボーナスディスクの中身も変わるという、根性悪いボックスセットです。
とりあえず、自分は日本で容易に手に入れやすいと思ったAmazonで注文。という事で、ディスクはMadison Square Garden, Feb. 18, 1977です。
友人の協力で、程なくして他の2枚、Cobo Hall, Jan. 25, 1976とLargo, Dec. 20, 1977も入手。これはLagoが良かったですね。
次回のVol.2は1978年からになるのでしょうが、一体何年までなのかが気になります。

P.S. "ALIVE! BOX" がリリースされ、"ALIVE!"も"ALIVEII"も1枚化となり、ボーナストラックが入り、何と"ALIVE IV"となるはずだったMILLENIUM LIVEが収録された。
これはお勧めのBOX CDなので、既に"ALIVE!"〜"ALIVE III"を持っていても、購入をお勧めします。
むしろ、単品をお持ちでないのであれば、このBOXを購入する事を激しくお勧めしたい。

And Next Time...